フィルムカメラに再チャレンジした私が感じた5つの楽しさとは?

昭和40年男の私が若い頃は当然フィルムで写真を撮っていました。

でもその当時はカメラを趣味にしていた訳ではなかったので一眼レフカメラなどの高級カメラは使わず、普通に家にあったコンパクトカメラや父親から譲り受けたOLYMPUS PEN、またはレンズ付きフィルムの「写るんです」などで写真を撮っていました。

そして1995年に登場したWindows95を皮切りに世の中は一気にデジタル時代に突入し、少しずつデジタルカメラも発売される様になりました。ちなみに初めて世の中に普及したデジタルカメラ「CASIO QV-10」が発売されたのも同じ95年だったと思います。

そんな流れの中、私も初めてのデジタルカメラ「NIKON COOLPIX 800」を購入しました。

このカメラについて調べてみると、発売は1999年で定価は89,000円となっていたので、私も2000年頃に購入したのだと思います。

このカメラは今でも持っているので久しぶりに撮影してみた画像がこちら。

ちなみに画素数は211万画素と今のカメラの1/10程度しかありませんが、明るい屋外で写せば今でもまあ見られる画像は写せます。

とにかく私はこの「NIKON COOLPIX 800」を購入以来ほとんどの撮影をデジタルカメラで行って来ましたが、心の中にはずっとフィルムカメラに対する憧れが燻っていて、それが一昨年(2019年)ついに爆発し、フィルムカメラに再挑戦する事になりました。

そして今ではフィルムカメラにどっぷりハマった私が感じているフィルムカメラの魅力はこの5つ。

  • フィルムの写りと個性
  • カメラの存在感と質感
  • カメラを自分の手で操作する充実感
  • 一枚の撮影に集中する感覚
  • オールドレンズの個性的な写り

この5つの魅力について、これから一つ一つ解説して行きます。

初心者のためのカメラと写真用語の簡単な解説

専門用語が分からないカメラ初心者さんは、この解説を参照しながら本文を読んで見て下さい。勿論知っている方は本文へどうぞ

写真の明るさを決める露出について

あなたも暗くて重厚だったり、ホワッと明るいかったりなど色々な明るさで写った写真を見た事があると思いますが、この写真の明るさを決める事を露出を決定すると言います。

ですから写真撮影の記事を読んでいて「露出決定に必要なこと」などと書いてあったら、写真の明るさを決める事だなと思えば良いです。

では、その露出はどのように決まるのでしょうか?

写真の露出を決めるためには「ISO感度」「レンズの絞り」「カメラのシャッタースピード」の三つの項目を設定する必要があります。

センサーの光に対する感度=ISO感度

ISO感度とは簡単に言うとフィルムやデジカメのイメージセンサーがどれだけの光を受ければ写真を生成出来るのかを表す数値で、100など数値が小さい(低感度)とたくさんの光を受けなければ適正な明るさの写真にならず、逆に400など数値が大きい(高感度)と少ない光を受けるだけで適正な明るさの写真になります。

このISO感度、フィルムカメラの場合はフィルムを選んだ時点で決定します。

例えば富士フイルムの「フジカラー100」はISO感度100のフィルムなので、カメラのISO感度も100に合わせます。そして、ISO400(高感度)の「SUPERIA PREMIUM400」をカメラの装填したらカメラの設定をISO400にするのです。

ですから、フィルムカメラの場合は装填したフィルムを撮り終わるまでISO感度を変更する事はできませんが、デジタルの場合は撮影一枚ごとに変更できますし、選べる感度も幅が広く最新のミラーレスカメラになると数万の単位の感度設定ができるカメラもあります。

ただし、高感度になればなるほど基本的には画質は悪くなります。

ちなみに古いカメラはフィルム感度にISO(国際標準化機構)ではなくASA(アメリカ標準規格)が使われている場合がありますが、ASA100=ISO100と読み替えれば大丈夫です。またDIN(ドイツ工業規格)と書いているカメラもありますが、その場合も必ずASAが併記されているのでそちらを使って感度を合わせて下さい。

絞りとシャッタースピードの関係

それではフィルムやセンサー(以後フィルムに統一)に適切な量の光を当てるためにはどうすればいいのでしょうか?

フィルムにはレンズを通って来た光が当たりますから、レンズがどれだけの量の光を通すかを決めれば良さそうです。その他に、光がフィルムに当たる時間の長さを変えるのも良さそうですね。

このレンズを通る光の量を変えるのが絞りで、フィルムに光が当たる時間の長さを変えるのがシャタースピードです。

それでは絞りから解説します…が言葉で解説するより早いので、まずは画像をご覧ください。

F2
F11

これをみれば一目瞭然ですが、レンズの中には光の通る量を調節する絞り羽根という機構が入っていて、その絞り羽根の開く大きさを変える事で光の通る量を調節しているのです。

ちなみに数値は小さい(F2.8など)ほど羽根が大きく開いて通る光の量が多くなり、数値が大きい(F11など)ほど逆になります。

シャッタースピードについても言葉で解説するより早いので、簡単な動画を撮りました。

使ったカメラはCanon FTbというフィルム一眼レフカメラになります。

一眼レフカメラの動作は、シャッターボタンが押されるとまずシャッターの前にあるミラーが上方に跳ね上がり、フィルムの前にあるシャッターが開いてフィルムを露光し、シャッターが閉じてミラーが元の位置に戻る。これが一連の流れです。

それを踏まえて動画を見て下さい。

最初の1/125秒では早すぎて何が起こっているのかよく分からないと思いますが、シャッタースピードを遅くして行くと上記の動作がだんだん確認できるようになると思います。

そして、最後の1/2秒ではミラーが上がりシャッターが開いている様子がよく分かると思います。

ちなみにシャッターが開いた時に見える白いものは動きがよく分かるように貼った白い紙で、本来そこにはフィルムが存在します。

AF(自動ピント)とAE(自動露出)

AFとはオートフォーカスの略で簡単に言えば自動でピントを合わせる機能の事です。この機能はスマホで写真を撮る時にもみんなお世話になってるので、名前は知らなくてもその機能は使った事があるはず。

スマホを被写体に向けてピントを合わせたい場所をタップすると、ピッと音がしてピントが合うアレの事です。

いっぽうのAEはオートエクスプロージャーの略でこれは自動露出の事です。

今まで散々解説してきた露出決定を自動で行う機能ですね。

このAFとAEが開発された事により、誰でも簡単に写真が撮影出来るようになったのです。

すみません、簡単に解説すると言いながらずいぶん長くなってしまいました(汗)

それでは本文をご覧下さい。

フィルムの写りと個性

最近はフィルムの写りがエモいなどと見直され、デジタルカメラやスマホで写した写真にフィルターを掛けてフィルム写真みたいに加工するのも流行っているけれど、フィルムらしい写りを目指すならやはりフィルムで撮るのが一番だ。

それにしても、フィルム写真のあのなんとも言えない雰囲気は何処から来るのだろう?

色?粒子感?

まあ、言葉で説明するのは野暮ですね。

とにかく、フィルムで写した写真はデジタルで写した写真とは全くの別物だ。もちろん画質だけをとれば最新のミラーレスやデジタル一眼レフで写した写真の方が当然上だけど、フィルムに興味を持ったあなたなら写真は画質だけで決まる訳ではないのは分かるよね。

カラーネガ、白黒フィルム、リバーサルフィルム、フィルムにはいろいろな種類があって、もちろん銘柄によっても個性が違う。

その中から今日の撮影や気分に合ったフィルムを選び出し、愛用のカメラに装填する。もちろんそこから撮影は始まっている。

撮影対象を見つけたらフィルムを巻き上げ、ファインダーを覗いて慎重にピントを合わせる。

ブレないように息を止め、シャッターボタンにかけた指を慎重に下ろすと、カシャンと心地よい振動が指と耳を刺激してシャッターが切れる。

一瞬写りを想像し、また次の獲物(撮影対象)を求めて足を進める。

この繰り返しが本当に楽しいのです。

カメラの存在感と質感

Pentax SP

金属外装がかっこいいPENTAX SP

フィルムカメラにも色々な種類がありますが、このブログでメインに取り上げる60〜70年代のフィルム一眼レフカメラのほとんどは金属の外装を纏っていてとても重厚感があります。

Canon A-1

プラスチック外装ながらメカめかしくてカッコいいカメラロボットCanon A-1

そこから少し時代を下って80年代になると軽量化とフォルムの自由度を上げるため、プラスチック外装のカメラも増えてきますが、これはこれでメカメカしくてカッコいいです。

ただ、この存在感や質感ってやつは文章や写真でいくら説明してもなかなか伝わりません。

でも、実際にカメラを握ってみれば一発で感じられるはず。

とは言えいきなり中古カメラ店に行くのは敷居が高いと思うので、まずは近所のハードオフなどに行ってみて下さい。ジャンクのカメラコーナーには古いフィルムカメラがたくさんあるので、その中のから金属製ぽいカメラを探して握ってみる。

うおっ!これいい!

そう感じたあなたは素質ありです(笑)

カメラを自分の手で操作する充実感

最近のカメラは本当に凄い!

シャッターボタンを半押しするだけで瞬時にピントが合い、そのままシャッターを押すだけで明るすぎたり暗すぎたりしない露出の合った綺麗な写真が簡単に撮れる。

それに対して古いフィルムカメラで撮影する場合、カメラ任せに出来るところは本当に少なくて、色々と設定したり操作しなければ一枚の写真も写せない。しかも、やっと写せた写真も現像してみたらピンボケだったり露出がズレていて暗かったり明るかったり。

そんなめんどくさいカメラで何で撮影するの?

普通はそう思うでしょう。

その問いに何て答えれば良いのかなあ?

私の場合デジタルカメラでの撮影は、どちらかと言えば撮影行為を楽しむよりも良い画像を写して残すために撮影している感がすごく強いんだけど、フィルムカメラの場合は撮影そのものがとても楽しくスリリングで、何というか感性に訴えかけてくる感じが強いんです。

おれの場合デジタルカメラでの撮影は、どちらかと言えば撮影行為を楽しむよりも良い画像を写して残すために撮影している感が強いんだけど、フィルムカメラの場合は撮影そのものがとても楽しくスリリングで、何というか感性に訴えかけてくる感じが強いんです。

例えばフィルムを巻き上げる音やレバーから伝わる感触であったり、美しい見えの光学ファインダーを覗いて被写体を確認しながら、その最も美しい部分にレンズのピントリングを操作してピントを合わせる感覚、その他にもレンズの絞りを変えるためにリングを操作したり、カメラのダイヤルを回してシャッタースピードを変更したり。

とにかく操作が多いけど、その一つ一つのプロセスがとても楽しいのです。

一枚の撮影に集中する感覚

デジタルだと一日に何百枚も撮影する事もあるけれど、一枚一枚にコストの掛かるフィルムではそんなに撮影出来ません。

出来たとしても、すぐに破産してしまいます(笑)

だからこそ一枚の撮影に対する集中力がデジタルと比べて桁違いに上がるのです。

街を歩いて被写体を見つけたら、まずファインダーを覗いて構図を確認してみる。

デジタルならここでとりあえず一枚シャッターを切るところだけど、フィルムカメラだとそう簡単には切れない。

まずは本当にここで写真を撮るかを考える。

あれこれ迷って結局撮影しない事も勿論ある。

迷った末に撮影すると決めたら、本格的に構図を整えピントを慎重に合わせたら、息を止め指先に全神経を集中してカメラがブレないようにシャッターボタンを押す。

そして、緊張からの解放。

これ、ハマります。

オールドレンズの個性的な写り

フィルムカメラに最新のレンズを装着して撮影することはもちろん可能ですが(フィルムEOSに最新のEFレンズを装着など)大抵の場合、特になるべく安くフィルムカメラを楽しみたい場合はレンズもオールドレンズを選択する事が多い。

このオールドレンズって奴がまた良いんです。

もちろんオールドレンズと最新レンズを比較したら、そりゃ最新レンズの方が性能はいいに決まってます。

いっぽうのオールドレンズは光学技術がまだ発展途上時に設計されたので、光学的には良く無いと言われる各種の収差等がたくさん残っていて、それゆえに個性的な写りのレンズが多い。

例えばボケの形が個性的だったり、逆光時に派手なゴーストやフレアが出たり。

この写真はOLYMPUS OM-10というカメラにG,ZUIKO AUTO-W 28mm f3.5というレンズを装着して撮影しましたが、逆光でしかも太陽を直接入れ込んで撮影したので、まあフレアやらゴーストやらが派手に出ています。

でも、なんか良いでしょ?

そんな個性的な写りを楽しめるのも、フィルムカメラの大きな魅力なのです。

フレアとは画像が霞のような白っぽい光で覆われる現象。ゴーストとは絞りの形の多角形の光や虹色などのはっきりした色の光が画像に現れる現象。共にレンズ内に入った強い光が乱反射する事によって起こる事が多い。

撮影フィルムはフジカラーC200だったのですが、今調べたらもう製造中止になっていて流通在庫も底をつきかけているようです。同じ富士フイルムの業務用100に続いて安価なカラーネガフィルムがまた一つ消えて行きます。本当に残念。

同じ安価なカラーネガフィルムKODAK Gold 200には、ぜひ頑張って販売を続けてもらいたいものですね。

最後に…失敗もまた楽しい

最近のカメラはAFとAEの搭載により、ピント合わせの腕や露出の知識がなくてもシャッターボタンを押すだけで簡単に綺麗な写真が写せるようになりました。

それに対して古いフィルムカメラでの撮影には失敗がつきものです。

この写真のようにピント合わせに失敗してピンボケで、さらに露出合わせにも失敗して写真が暗くなってしまったり。

ピンボケ写真

それどころかフィルムの装填に失敗して現像してみたら何も写ってない!なんて事も起こります。これ実体験(汗)

悔し紛れかもしれないけど、そんな失敗もまた楽しいのだっ!

それではまた。

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