国産レンジファインダーCanon 7の使い方を画像付きで詳しく解説

これまで20台以上のレンズ交換式フィルム一眼レフカメラを使って来た私ですが、遂に新たな領域に足を踏み入れてしまった。

何て大袈裟に言う事じゃないけど、新たにレンズ交換式のレンジファインダーカメラに手を出してしまいました。

レンズ固定式のレンジファインダーカメラならminolta Hi MATIC 7sを使った事があり今も所有しているけど、やっぱりレンズ交換出来た方が世界が広がるからね。

そこで色々調べた末に購入したカメラが今回ご紹介するCanon 7です。

画像は全てタップやクリックで拡大します。

Canon 7が発売された時代

正面

キヤノン公式のキヤノンミュージアムによるとCanon 7の発売年月は1961年(昭和36年)9月となっています。

この時すでにニコンからはNIKON Fが発売され、カメラの主流はレンジファインダー型から一眼レフ型への移行が進んでいました。

もちろんキヤノンからもCanon Flexというレンズ交換式一眼レフカメラがすでに発売済みでしたが、一眼レフはその構造上標準レンズや望遠レンズは作りやすかったため高性能なレンズがすぐに発売されましたが、それに反してミラーを動作させる空間が必要なため、レンズの後ろ玉を撮像面に近づけることが出来ない一眼レフは広角レンズの設計が難しく、当時の技術では性能の良い広角レンズを各社はまだ生み出せていませんでした。

またレンジファインダーカメラは一眼レフより速写性に優れていたため、広角レンズを使ったスナップ用途にまだまだニーズがありました。

そこでキヤノンは一足飛びに一眼レフに移行する事はせず、レンジファインダーカメラの集大成としてこのCanon 7シリーズを生み出したのです。

Canon 7の特徴

マウントライカL39マウント(ねじ込み式)
シャッター横走り メタルフォーカルプレーンシャッター B、T、1秒~1/1000秒
巻き上げレバー式、1回巻き上げ、分割可能
露出計セレン受光素子 追針式
カウンター順算式、自動復元
フォーカシング連動距離計内蔵 有効基線長47.2mm
ファインダー35mm、50mm、85/100mm、135mm用の採光式ブライトフレーム切り替え式

L39マウント採用で広がるオールドレンズの世界

マウント

このCanon 7はレンズ交換式カメラを選ぶ上で一番大事なレンズマウントにL39マウント(ライカスクリューマウント)を採用。

このマウントは1930年代にライツ社(後のライカ社)が製造したいわゆるバルナックライカに採用された、ネジ径39ミリのねじ込み式マウントで、本家ライカはもちろんCanonをはじめとする日本メーカーや旧ソ連などがそれこそ星の数ほどのレンズを製造販売していて、それらたくさんのレンズのほとんど全てをこのカメラで使えるのです。

特に旧ソ連製のレンズはドイツのカールツアイスというメーカーのレンズをコピーしたレンズが多く、ものすごく安価な割には高性能なレンズが多い事で有名です。

私も最初のレンズには5000円以下で買える旧ソ連製のIndustar-61 L/D 55mm f2.8と言うレンズを選びました。

大きく明るいレンジファインダー

50ミリ

この時代のマニュアルフォーカスカメラを使う時に一番重要なのはやはりファインダーの見え具合だと思う。

そのファインダーにとても力が入っているのがこのカメラの大きな美点で、Canon 7はM型ライカ同様の採光式レンジファインダー方式(二重像合致式)を採用しています。

そのファインダーを覗いて感じたのが視野の大きさで、本当に広々としています。それもそのはずスペック上も0.8倍という高倍率を誇っているので当然です。

その大きく広々とした明るいファインダーに浮かび上がるブライトフレームはなんと四段階の切り替え式。35mm用から135mm用までレンズに合わせフレームを切り替えて使うことが出来ます。

使用方法

それではここからCanon 7の使い方について見ていきましょう。

軍艦部の解説

軍艦部の作りはオーソドックスなのでフィルム一眼レフを触った事のある方ならそんなに迷う事なく使えると思うので、私がやや戸惑った部分いついてのみ簡単に解説します。

シャッターボタンのロックと解除

まずシャッターボタンですが周りのリングが回せるようになっていて、一番右に回すとロックが外れてシャッターが切れ、左の赤丸に合わせるとロック状態でシャッターが切れなくなります。そして更に大きく左に回してRに合わせるとフィルムが巻き上げられる状態になります。

フィルム感度の設定方法

フィルム感度の設定方法は、”フィルム感度切り替えボタン”を押しながらシャッタースピードダイヤルを回すと”フィルム感度表示窓”内の表示が切り替わるので、任意の感度を設定します。ちなみに感度はISO(ASA)6〜400の範囲で設定できます。

ブライトフレームの表示切り替え

まずレンジファインダーについて簡単に説明しておくと、このファインダーは一眼レフのようにレンズを通った光を見ている訳ではなく、カメラの前側に開いたファインダー窓から入った光を裏側のファインダー接眼窓から覗くという方式で、いわば素通しに近いファインダーです。

ただそれだけでは今装着しているレンズでファインダー内のどの範囲が撮影できるかが分からないので、それを知らせるためのフレームを表示するようになっています。それがブライトフレームです。

四段階のファインダー表示

このブライトフレームをレンズの焦点距離に合わせて四段階に切り替えられるのが、このCanon 7の大きな特徴で、具体的には上の写真のように35mm/50mm/85・100mm/135mmに切り替えられます。

その切り替えをするのがブライトフレーム切り替えダイヤルで、名称説明写真では50mmに設定されています。

レンズの着脱方法

このカメラのレンズマウントは一般的なバヨネットマウントと違いネジ式のL39マウントを採用してるので、レンズの着脱はネジのようにクルクル回して行います。時間はややかかりますが特に難しい事はありません。

ただ一つ注意点があり、レンズの取り付け時はレンズを最短撮影距離に設定してからはめ込みます。上手くはまらないと思ったらそれを確認しましょう。

フィルム装填方法

キヤノンのフィルムカメラの上位機種は不用意に裏蓋が開いて撮影フィルムをダメにしてしまわないように、必ずツーアクションで裏蓋を開けるようになっています。

裏蓋開閉方法

このCanon 7も同様で写真のようにレバーと爪を操作して開けるようになっています。

裏蓋が開いてしまえば後は通常の一眼レフカメラと同様にフィルムを装填します。

裏蓋を開いた状態

自信がない方は下記の記事でフィルムの装填方法を詳しく解説しているので参考にして見て下さい。

露出の合わせ方

このカメラにはAEは付いてないので露出はマニュアルで設定します。
内蔵露出計と手持ちのカメラや露出計アプリで同条件の露出を測り、精度を調べます。

信用出来るようなら内蔵露出計を使い、ダメなら外部露出計やアプリで露出を測り、例えばISO100のフィルムで、F8、1/250秒で適正露出ならレンズの絞りリングとシャッターダイヤルでそのように設定して撮影します。

ピントの合わせ方

ファインダーの真ん中にある小さな四角の場所に浮かぶ二重像を合わせる事でピント合わせを行います。

二重像がずれた状態

上の写真がピントの合っていない状態で、このように被写体が二つにずれて見えています。

二重像が重なった状態

ピントが合うとこの様に被写体の像が一つに重なるのでこの状態でシャッターを切り撮影します。

フィルムの取り出し方

フィルムの取り出し方については下記の記事で詳しく解説しています。

上記の記事ではカメラ下側のボタンを押してフィルムを取り出していますが、Canon 7の場合はシャッターダイヤル周りのリングをRに合わせる事で取り出せる様になります。そのほかの操作はほとんど変わらないので参考にして見て下さい。

まとめ

このCanon 7ではまだフィルム1本しか撮影してないので偉そうな事は言えないけど、一眼レフと違いレンジファインダーカメラは良い意味でアバウトに撮影出来るところがいいと感じました。

最短撮影距離も長いし、厳密なピント合わせは苦手だけどその代わり軽快に撮影出来る。

具体的には絞りをF8くらいに絞り込んで、二重像で素早くピントを合わせてサクサク撮影する。まさにスナップショットのためのカメラって感じです。

とにかくレンジファインダーは一眼レフとは全く違う撮り味のカメラなので、このCanon 7じゃなくても良いから未体験なら一度体験して見ましょう。

もしかしたら一眼レフよりあなたに合っているかもしれませんよ。

それではまた。

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