-撮影編-ネガフィルムを一眼カメラで撮影し自宅でデータ化する方法

この記事は撮影後のネガフィルムを一眼レフカメラやミラーレスカメラで撮影し、デジタル画像として取り込むデジタルデュープについてお伝えするシリーズの第二弾-撮影編-です。

  1. ネガフィルムを一眼で簡単きれいにデジタル化する方法 –準備編
  2. ネガフィルムを一眼で簡単きれいにデジタル化する方法 -撮影編-
  3. ネガフィルムを一眼で簡単きれいにデジタル化する方法 –モノクロ編
  4. ネガフィルムを一眼で簡単きれいにデジタル化する方法 –カラー編
  5. ネガフィルムを一眼で簡単きれいにデジタル化する方法 –まとめ編
  6. Nikon FH-4でフィルムをデータ化する為のES-1改造方法-番外編

今回は具体的な撮影方法についてわかりやすく解説します。

前回の記事「ネガフィルムを一眼で簡単きれいにデジタル化する方法 -準備編-」では、ネガフィルムをマクロレンズを装着した一眼レフあるいはミラーレスカメラで撮影してフィルム画像を取り込むいわゆるデジタルデュープの概要と機器の準備について述べました。

今回はその機器を使って画像を取り込む方法について解説します。

システムをセットする

前回の解説を踏まえ、ここでは撮影のセッテングについて解説します。

三脚は必ず用意しましょう

このデジタルデュープという方法はマクロレンズの先端に装着したアダプターにフィルムを挟んでそこに裏から光を当てて撮影します。

この時レンズとフィルムは繋がって固定されているので手振れする心配は少なく、その点では手持ちでも撮影できるかも知れません。

しかし、一枚撮影する毎にネガフィルムを次のコマにずらす作業が必要な為、手持ちの場合は一度カメラをテーブル等に置く必要があり、それが結構手間になります。その点三脚に固定していればそのままフィルムを送ることが出来るので作業性が圧倒的に上がります。

またMFレンズのピント合わせも三脚固定の方が圧倒的に楽なのは言うまでもないので、デジタルデュープをとりあえず試してみるだけならまだしも、本格的にデジタルデュープを始めるならやはり三脚は必需品です。

そういう訳で、三脚にマクロレンズとNikonスライドコピーアダプター ES-1などを装着し、フィルムを挟みます。

このカーボン三脚は発売当初は2万円以上しましたが、現在は1万円以下で購入できます。私も持っていますが本当に軽いので旅行など荷物を軽くしたい時には本当にいいですよ。

もちろんフィルムデジタル化にも使えます。

光源はLEDライトが最適

ネガフィルムをそのまま撮影しても暗すぎて画像が見えないので、撮影するには後ろから光を当ててやらなくてはなりません。

この光源には外付けフラッシュとLEDライトの二種類が考えられます。

このどちらが良いかは色々な考え方があると思いますが、個人的にはLEDライトの方が撮影しやすいと思います。

ご存知のようにフラッシュは瞬間光なので撮影する瞬間以外は光っていません。でも、フィルムを撮影する時には撮影前にピント合わせが必要なのでフィルムが暗いと具合が悪い。その点LEDライトは定常光なので常にフィルムを明るく照らし、ピント合わせも楽々です。

特にMFレンズの場合はLEDライト一択と言えます。

一昔前はLEDは演色性が悪いと言われていましたが、最近ではCRI 95以上の製品もあるのでそのような製品を選べば快適に撮影出来るでしょう。

もちろん、デジタルデュープだけでなく物撮りの時にも威力を発揮しますよ。

撮影

セッテングさえ済んで仕舞えば撮影自体は難しくありません。ただ何点か注意点があるのでそこだけは気をつけて下さい。

必ずRAWで撮影-注意点1

ネガフィルムを撮影した画像は後に反転作業等をする必要があります。Jpegで撮影しているとこの画像処理時に画質が大幅に落ちて画像が荒れる場合がありますが、RAWで撮影すれば画質の劣化を最低限に抑えられます。

間違えてJpegで撮影してしまうと、全ての撮影をやり直す必要があります。撮影前にはカメラの設定がRAWになっているか必ず確認しましょう!

撮影画角は広めに-注意点2

モノクロネガフィルム

ネガフィルムを撮影する時には撮影画像ギリギリではなく必ずひと回り大きめの画角で撮影しましょう。

理由はパーフォレーションの部分でホワイトバランスを取る事と、撮影時に画像が斜めにずれてしまった時に並行を取る為の二点です。

ネガフィルムはフィルムベースにオレンジなどの色がついている為、そのまま反転してもその色が抜けずにおかしな色になってしまいます。そこで、撮影に使われていないパーフォレーションの部分でホワイトバランスを取ってその色を抜くのです。

カラーネガフィルム

また、撮影時に完璧にフィルムの並行を取るのは難しいので画像処理時に平行にしてあげます。この時にある程度トリミングする事になるのでひと回り大きく撮影する必要があるのです。

ピント合わせの設定-注意点3

AFレンズの場合は通常の撮影と同じようにAFでピントを合わせて撮影できますが、この時のフォーカスモードは1点AFではなく全面でピント合わせが出来るオールモード(メーカーによって名前は違う)に設定しましょう。そうすれば、フィルムのコントラストの高い場所で自動的にピント合わせしてくれます。

MFレンズの場合はライブビューの拡大モードやピーキングを使って慎重に合わせましょう。この時まずは全体を見てコントラストの高い部分を見つけ、そこに測距点を合わせてから拡大するとやりやすいです。また、面倒でもコマを送る毎にピント合わせを行いましょう。MFの場合ピント面がズレなければそのまま撮影してもピントは合いますが、コマを送る時に微妙にずれると画像のクオリティに影響が出ます。

フィルム送り時はES-1から外す-注意点4

前回の記事で作ったアダプターで撮影する場合、面倒でも一コマ撮影する毎にES-1からアダプターを外してフィルムを次のコマに送り、もう一度装着します。

ES-1にアダプターを挟んでみればわかりますが、板バネでガッチリ固定されるのでその状態でフィルムを送ろうとすると摩擦でフィルムに傷がついてしまいます。(テスト撮影で検証済み)

面倒でも必ず一コマ毎に外して撮影しましょう。

そうは言ってもやはりフィルム送りのたびにアダプターから外すのは大変なので、フィルムを送るときに当たってしまう部分を耐水サンドペーパー(#1000程度)でツルツルになるまで磨いてみたら、すべらせて送っても傷つかなくなりました。もちろん自己責任でお試し下さい。

私は現在下記の方法で行なっています。

まとめ

  • 出来るだけ三脚を使う
  • 光源はLEDライトが最適
  • 必ずRAWで撮影する
  • AFレンズのフォーカスモードはオールモード
  • MFレンズは拡大して一コマ毎にピントを合わせる
  • 撮影は広めにして画像加工しやすくする
  • フィルムを傷付けないように一コマ毎にES-1から外してコマを送る

以上の注意点を踏まえて、慣れるまでは一コマずつ丁寧に撮影しましょう。

それでは次回のモノクロ編でまた。

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