イルフォードはイギリスの白黒フィルムで、ISO50の「PANF PLUS」からISO3200の高感度フィルム「DELTA3200 PROFESSIONAL」まで色々な特性のフィルムがラインナップされていますが、今回はその中でも一番人気の高いISO400の「HP5 PLUS」の作例をご紹介します。
ただし、初めて自家現像したフィルムなのでリール巻きに失敗し、現像液がフィルムに上手く回っていない部分が未現像になってしまい、一部が写っていないコマが複数あったので、そのようなコマはトリミングで対処しています。
2022/07/30 追記
YouTubeにレビュー動画をアップしました。ブログとは違う作例もあるので、、よかったら見てみて下さい。
コンテンツ
ILFORD HP5 PLUSの特徴をネットで調べてみた
ILFORD HP5 PLUSはトラディショナルタイプのモノクロフィルムだとの記述が多く見つかる。
では、トラディショナルタイプとはどのようなフィルムなのか?
簡単に調べた限りでは、これと言う回答は見つかりませんでしたが、トラディショナルには伝統的や旧式などの意味がある事から、Kodak-T-MAX 400に使われるT粒子などの新技術(と言っても1980年代の技術ですが)が使われていない昔ながらのフィルムと言う意味だと思う。
そしてこのトラディショナルタイプのILFORD HP5 PLUSはその粒子感の荒さが特徴だとの記述も多い。
要するに白黒らしいザラッとした雰囲気の写真が撮れるフィルムという事だろう。
ILFORD HP5 PLUSの作例
全ての撮影は「Canon FTb」と「FD 55mm f1.2 S.S.C」のコンビで行い、ISOはフィルムの指定通りの400に設定しました。
撮影時の絞り値については詳細には覚えていませんが、カメラの最高シャッタースピードが1/1000秒と遅く、フィルムの感度もISO400なので日中の撮影では絞りを開けると露出オーバーになってしまうので、F8から場合によってはF16まで絞り込んで撮影しています。
夜間はF2かF2.8で撮影しました。
また現像液にはコダックD-76(1:1)を使用し、液温20度、13分で現像しました。
全ての作例写真はクリックで拡大表示します。
日中の散歩スナップ
平屋建ての古い民家。植え込みの質感がとてもリアルに描写されています。
影の落ちるチューリップの花壇をコントラスト豊かに描写しています。
拡大するとこのフィルム独特の粒子感が良く分かります。また、現像の失敗で写っていなかった右側をトリミングしてスクエアにしています。
満開の桜の下、ボーダーコリーを散歩させている女性もコロナの影響でマスク姿。(2020年の様子です)
明るいタンポポの花をコンクリートの影の部分に乗せて撮影してみました。
フィルムはハイライトが粘るので、直射日光の当たっているタンポポの花から草の陰のシャドーまで階調豊かに描写されている。
日中の東京スナップ
オシャレな美容室。日の当たる木製のドアの描写が素敵。
薄汚れた路地裏は、やはり白黒フィルムのザラっとした描写がよく似合います。
何の気兼ねも無く、こんな飲み屋に行ける日が早く来て欲しい。
フィルムの粒子感が逆にメタリックな質感を引き立たせていると思う。この写真も下側をトリミングしています。
日中の日比谷公園
洋食の老舗松本楼前の首かけイチョウとテラス席。大樹の重厚感がよく出ている私のお気に入り写真。
雲形池と鶴の噴水。銅像や台座の陰影が美しい。
石灯籠の前を通りかかった外国人の親子?
東京の夜スナップ
2020/1/16 甲斐バンドのライブで訪れたNHKホール。この頃はまだ、コロナの影は薄かった…
FD 55mm f1.2 S.S.Cは絞り開放付近では球面収差の影響で盛大に滲みます。しかしその影響で滲んだ街灯の灯りがまたいい雰囲気を醸し出している。
救急車のボディーの粒子感がエモい。エモいの使い方合ってるかな?(汗)
渋谷の夜景。思った以上にかっちり描写されていてビックリ。手振れ補正なんて当然無いのに全然ブレてない。カメラが重いからか?
渋谷駅の地下道。案内板のグラデーションがとてもキレイ。
まとめ
最近のデジカメの画像はレンズ描写も含めて本当に凄い!それは否定しないし自分も好きで楽しんでいる。
でも、フィルム写真はそのベクトルとは全く違う良さがある。それが自家現像した白黒写真であれば尚更だ。
これからも色々なフィルムを使ってどんどん撮影して作例をアップするので、ぜひまた見にいらして下さい。
それではまた。
コメント