CCDで発色豊かなPENTAX *ist DLは今でも十分楽しめます!

先日ハードオフでとても程度良い「PENTAX *ist DL」が安価で売られていたのでちょっと悩んだ末に購入し、しばらく使ったのですが思った以上に使えるし、何より撮影がとても楽しい!

私が趣味として買った初めてのカメラは「NIkon D40」というデジタル一眼レフでこのカメラを数年間使い倒しましたが、その間にミラーレスカメラが少しず台頭し始め「これからはミラーレスの時代だ」と次のカメラにマイクロフォーサーズの「OLYMPUS OM-D E-M10」を選びました。

その後富士フイルムにマウントを変え、現在のメイン機は「FUJIFILM X-E4」を使っています。

その他にたくさんのフィルム一眼レフを使っているので一眼レフ(光学ファインダー)はフィルムカメラに任せ、デジタルカメラはミラーレス一本で行こうと先日まで思っていたのですが、この*ist DLを使い始めてその気持ちが少し揺らぎ始めました。

画像はクリックで拡大します

*ist DLとはどんなカメラか?

*ist DL外観

ペンタックスのデジタル一眼レフといえば最近発売され大人気の「K-3 Mark Ⅲ」に代表されるKシリーズが有名ですが、実はデジタル一眼レフの黎明期に最初に発売されたのはKシリーズではなく、当時ペンタックスが生産していたフィルム一眼レフの*istシリーズをベースにデジタル化した*ist Dシリーズでした。

その中でも今回私の購入した*ist DLは最廉価版で、ファインダーにはコストダウンの為ペンタプリズムではなくペンタミラーが使われ、その分軽量で安価になっています。

*ist DLのスペック

発売日2005年7月7日
撮像素子総画素数631万画素 原色フィルター、インターラインインターレーススキャンCCD、サイズ:23.5×15.7mm
記録画像サイズJPEG:6M(3008×2000 ピクセル)、4M(2400×1600 ピクセル)、1.5M(1536×1024 ピクセル)、 RAW:6M(3008×2008 ピクセル)
感 度AUTO、200、400、800、1600、3200(標準出力感度)
記録媒体SDメモリーカード
ファインダーペンタミラーファインダー、ナチュラルブライトマット?スクリーン、 視野率96%、倍率0.85×(50mmF1.4・∞)、視度調整機構付(-2.5~+1.5m-1)、 フォーカシングスクリーン固定式
液晶モニタ2.5型約21万画素、低温ポリシリコンTFTカラーLCD、明るさ調整機能付
AF形式:TTL位相差検出式 測距センサー:SAFOX VIII(3点測距)
シャッター電子制御式縦走りフォーカルプレーンシャッター オート:1/4000秒~30秒(無段階)、マニュアル:1/4000秒~30秒(1/3EVステップまたは1/2EVステップ)、バルブ
ドライブモード1コマ、連続、セルフタイマー(12秒後、2秒後)、オートブラケット、リモコン(即、3秒後) 連続撮影:約2.8コマ/秒、JPEG(L・★★★):5コマまで RAW:3コマまで
レンズマウントペンタックスバヨネット KAFマウント(AFカプラー・情報接点付)
使用レンズKAF2(パワーズーム不可)、KAF、KAマウントレンズ
大きさ125mm(幅)×92.5mm(高)×67mm(厚) (突起部を除く)
質量(重さ)470g(本体のみ)

公式サイトのスペック表より重要な部分を抜き出してみましたが、これを見ればお分かりの様に今のカメラとは比べるべくも無く、今では数千万が当たり前の画素数は610万画素しかなく、感度も今では常用できるISO3200が最高感度になっています。

そんなカメラのどこが良かったのか?

使う前は光学ファインダーと言ってもペンタミラーだから、どうせ井戸の穴を覗いているような感じなんでしょ?と思っていたけれど、この*ist DLのファインダーは思ったよりもずっと明るくて大きなファインダーで覗いててとても気持ちいい。

AF動作は緩慢だけど、一枚一枚じっくり撮影している気分がする。

とにかく光学ファインダーを搭載したデジタル一眼レフはやっぱり撮ってて気持ちいいって事!

CCDの写りが最高に綺麗

Adobeカラー
LightroomのAdobeカラーで現像

現在のほぼ全てのデジカメにはCMOSセンサーが使われていますが、デジタルカメラ黎明期の90年台から00年代にはほとんどのデジカメにCCD方式のセンサーが使われていました。

二つの方式の特徴を簡単な表にしてみます。

CCDCMOS
消費電力×
画質
フレームレート(動画)
生産性低い高い
価格高価安価

この表を見れば分かるようにCCDは画質は高いものの、その他の点では劣るためCMOSセンサーの画質がある程度良くなった時点で一気に駆逐され、現在ではほとんど残っていません。

現在では技術革新が進みCMOSセンサーの欠点はどんどん解消されて素晴らしい撮像素子になったのですが、方式の違いからなのかCCD特有の濃厚で深みのある発色はなかなかCMOSセンサーでは再現できないように感じます。

最初に書いたように私は「NIkon D40」でカメラを始めたのですが、このD40に積まれていたのが*ist DLと(多分)同じSONY製のCCDだったのです。

写真が趣味ならたまに昔の写真を見返す事があると思いますが、そんな時D40で写した写真の発色の良さにハッとして「やっぱりCCDは良いな」なんてひとりごちる事が良くありました。

発色に定評のあるペンタックスですから、この*ist DLでもD40に負けない写真が撮れると思ってこれからも使って行こうと思います。

マウントアダプターKでスーパータクマーも装着できる

マウントアダプターKを装着

オールドレンズ界隈でとても人気のあるペンタックスのスーパータクマー(Super Takumer)レンズ。

このスーパータクマーのレンズマウントにはM42マウント(プラクチカマウント)というねじ込み式のスクリューマウントが使われていて、ペンタックスも含めて現行のどのカメラにも装着できません。

しかしミラーレスカメラ全盛の近年では各マウント用にM42マウント用のアダプターが作られていて、それを装着すればスーパータクマーレンズを使う事が出来るので、私もスーパータクマーをそのまま装着できるフィルムカメラ(Pentax SP)の他に富士フィルムのXマウント用のM42マウントアダプターを購入して「Super Takumar 55mm F1.8」と「SMC(Super Multi-Coated)Takumar 35mm F3.5」という二本のスーパータクマーレンズを楽しんでいましたが、本家ペンタックスにはKマウントをM42マウントに変換するためのアダプターが昔からあって、それを使えばペンタックスのデジタル一眼レフカメラ(もちろん、Kマウントのフィルムカメラにも)にスーパータクマーレンズを装着する事が出来ます。

それが写真の「マウントアダプターK」です。

マウントアダプターK

このアダプター昔は1,000円で買えたので、今でも安価に買えると思って探したら、今では定価4,000円もするのですね。それでもいまだに販売してくれているだけでありがたいとは思いますが。

Super Takumar 35mm F3.5

これを使えばご覧のように*ist DLにスーパータクマーレンズを装着でき、多少の設定やコツが要りますが内蔵露出計を使って撮影することも出来ます。

Super Takumar 35mm F3.5

Digital Camera Utility 5でカスタムイメージが適用できる

これはいい意味で想定外だったのですが、ペンタックス純正のRaw現像ソフト「Digital Camera Utility 5」(以下DCU5)を使えば、*ist DLで撮影した画像にペンタックスの誇る「雅(MIYABI)」など最新のカスタムイメージを適用する事ができるのです。

Windows版はこちら  Mac版はこちら

DCU5

最近のデジタルカメラには、私の使っている富士フイルムのフィルムシミュレーションなど、どのメーカーにも絵作りの機能が搭載され色々なパターンの画像を楽しむ事が出来ますが、デジタル一眼レフの黎明期にはその様な機能はほとんどなく、この*ist DLにもいわゆるシーンモード以外では「鮮やか」と「ナチュラル」しか搭載されていません。

しかし、RAWで撮影してDCU5で現像すれば、こんな古い機種でも最新の絵作りを楽しむ事ができるのです。

雅
雅(MIYABI)で現像
リバーサルフィルム
リバーサルフィルムで現像

これで*ist DLでの撮影にさらに楽しさが広がります。

まとめ

最新のミラーレスカメラは画質も良く機能も豊富で本当に楽しく撮影できます。

それに対してこの*ist DLは、最新のカメラと比べると動作は緩慢で機能は無いに等しい。

では全く使えないのかと言えばそんな事はなく、画素数さえ気にしなければ画質も十分で、拡大してディテールを比べるなんて事をしなければX-E4の画像とだって立派に張り合える。

実はNikon D40もまだ所有しているので、*ist DLとこのブログで対決させてみるのも面白いかも知れない。そんなの誰も読まないかも知れないけど(笑)

それではまた。

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