ILFORD FP4レビュー&作例|深い黒と輝くハイライトが印象的な白黒フィルム

フィルム価格の高騰が止まりません。

特にカラーネガが凄くて、36枚撮りだと安くても1200円程度。高いフィルムだと軽く2000円を超えてしまうし、そもそもカラーネガはフィルムの種類が本当に減ってしまった。

銘柄を減らすのはフィルムを存続させる為に資源を集中させていると良い風に解釈もできるが、これ以上フィルム価格が上がると本当に買えなくなってしまう。

いや、私の場合既にカラー撮影はデジタルに任せ、フィルムは基本的に白黒一本で撮影しています。そして、もしもカラーフィルムを使うなら今後はネガではなくポジで行こうと思ってる。

ポジ(リバーサル)フィルムは高いけど、カラーネガがここまで上がると価格差は数百円。だったらより感動の大きいポジを使うでしょ。

何だか最近世の中嫌な事が多くて心がネガティブ方向に傾きがちですが、私のようなフィルム写真愛好家は買える範囲でフィルムを購入して、出来れば周りにフィルム好きを増やして世の中からフィルムが無くならないように頑張るしかない。

そんな訳で、今日も白黒フィルムの作例紹介です。

今回紹介するのは、イギリスのハーマングループが製造するトラディショナルタイプのISO125の白黒フィルム”ILFORD FP4 PLUS”です。以前ご紹介した同じイルフォードのHP5 PLUSの記事でも色々と解説しているので、そちらも参照してみて下さい。

ILFORD FP4 PLUSの作例

撮影にはOLYMPUS OM-10PENTAX MEPENTAX SPの三台を使用したので、カメラ別に作例を紹介します。

現像は全てD-76(1:1)で自家現像し、FUJIFILM X-T30でデジタルデュープしています。

画像は全てタップやクリックで拡大します。

OLYMPUS OM-10&ZUIKO MC AUTO-S 50mm f1.8の作例

OM10

レンズはめちゃくちゃコンパクトで軽い標準単焦点レンズ”ZUIKO MC AUTO-S 50mm f1.8”を使用。

木造家屋

木造家屋

古い家屋の板貼りの質感と鬱蒼と茂る庭木をコントラスト高く表現しています。

ルノーメガーヌ

ルノーメガーヌ

ルノーメガーヌのヌメっとしたボディラインを見事に表現。カッコいいなあ。

団地と樹木

団地と樹木

黒が落ちてハイライトが輝くのがこのフィルムの特徴のようです。以前ご紹介したHP5で撮影したら手前の樹木のトーンがもっとの残ると思うけど、どうかなあ。

倉庫とコンテナ

倉庫とコンテナ

薄曇りの優しい光だと思うけど、スカッと抜けよく真ん中のコンテナ?を表現しています。

石畳の歩道

石畳の歩道

真ん中の石畳の歩道が明るめに表現され、よく目立っています。

手水鉢の写り込み

手水鉢の写り込み

写り込みを主役にした一枚。水面に映った木漏れ日のハイライトがいい感じ。

Pentax ME&smc PENTAX-F 35-80mm F4-5.6の作例

Pentax ME

このレンズ”smc PENTAX-F 35-80mm F4-5.6”はAFズームレンズですが、MEにAF機能はないのでMFで撮影しています。

ビル陰の配管

ビル陰の配管

ビル陰のガスや電気のメーターや配管を撮影。好きなんだよねー、こう言うの。

雑居ビルのエントランス

雑居ビルのエントランス

ISO125だから粒状感は基本的に少ないけど、シャドーがメインだとやはり少し荒れ気味になるようです。

HONDAのバイク

HONDAのバイク

古いバイクには白黒フィルムが合いますね。個人的にはヘルメットの質感描写が好き。

看板とクロスバイク

看板とクロスバイク

この写真もクロスバイクのフレーム部分のハイライトにまず目が行くと思います。

団地と自転車

団地と自転車

眠い写真になりそうなシーンだけど、地面の部分が明るく描写されているので意外と画面が引き締まっています。

Pentax SP&Super Takumar 35mm F3.5の作例

Pentax SP

Pentax SPとピンポン玉のように膨らんだ前玉が可愛い、Super Takumar 35mm F3.5。

捨てられた紙コップ

捨てられた紙コップ

逆光でフレアが盛大に出ていますが、FP4のコントラストの高い特性によってシャドーが黒く締まり、全体にフレアで真っ白になるのを防いでいます。

公園の木立

公園の木立

これも逆光ですが、木漏れ日の影をくっきりと描写しています。

小菊を俯瞰で

小菊を俯瞰で

小菊を俯瞰で撮影。ISO125なのでやはり粒状感は少な目ですね。

小菊をサイドから

小菊をサイドから

小菊をサイドから逆光で撮影。フレアに囲まれた小菊の花ですが、やはりコントラスト高い描写で解像感も失っていません。

蔦の絡まる廃屋

蔦の絡まる廃屋

蔦の絡まる廃屋。とても日差しが強いので建物に日の当たる面に露出を合わせると陰の部分は完全に黒潰れしてしまいますが、こんな描写も白黒フィルムの醍醐味です。

誰もいない公園のベンチ

公園のベンチ

公園のベンチを順光で撮影。やはり順光だと解像感高く描写されますね。

まとめ

こうやって見ると以前にご紹介した同じイルフォードのHP5とはかなり特性が違うように感じます。

HP5はトーンが豊かでグレー部分のグラデーションに特徴がありますが、このFP4は微妙なトーン表現よりもメリハリの付いたコントラストが高い描写に特徴があると思います。

もちろん撮影レンズや現像液によっても表現は大きく変わると思いますが、傾向としては上記の表現が正しいと私は感じています。

白黒フィルムは本当に奥が深くて楽しいですね。

それではまた。

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