Canon A-1&FD 50mm F1.4をジャンクボックスから救出!その顛末とは

しばらく前にハードオフでCanon A-1とNEW FD 50mm F1.4を手に入れた顛末をショートストーリー風に紹介します。

ある日の午後、ハードオフにて

ハードオフのジャンクボックスを漁っていると、極たまにお宝に巡り会う事がある。

そんな訳で俺は先日も近所のハードオフに出向き、カメラ用品のジャンクボックスの中を漁っていた。

ボックスの中には薄汚れたカメラが雑然と突っ込まれていたが、そんな中に一台、その場に不釣り合いなほどキレイなボディが混ざっているのが俺の目に止まった。

Canon A-1

名前は知ってたが、それは一体どんなカメラなのか?詳しい事は全く知らなかったが、とにかくシャッターを切ってみようと巻き上げレバーを操作するが途中で止まって最後まで巻けない。当然シャッターも切れなかった。

その時ジャンクコーナーには俺の他に誰もいなかったので気が緩んだのか、今のところ買う気満々のそのカメラを俺はなぜか一旦ジャンクボックスに戻すと、スマホを手に取りCanon A-1について調べ始めた。

そのまましばらくスマホに夢中になっていると、そんな俺の隙を突くかのように、いつの間にか中年の男がジャンクコーナーに現れ、あっという間もなく俺が目を付けていたA-1を手に取りいじり回し始めた。

その様子はやはり買う気満々。

失敗したっ!キープしたまま調べればよかったと後悔したが後の祭り。

だがしばらくは諦め切れず、未練たらしく男の様子を観察していたが、男は電池室を開けたり裏蓋を開けてシャッター幕を確認したりと品定めに余念がなく、そのカメラを手放しそうな様子は微塵も感じられなかった。

俺は渋々そのカメラを諦め、同じジャンクでもガラスケースに入ったちょっと良いジャンクを眺めに行ってみたが、ガラスケースの中に俺をときめかせる様な商品はなかったので早々に品定めを諦め、念のためもう一度ジャンクコーナーに戻って見ると、その男はまだジャンクボックスの前で何やらいじっていた。

だが彼が持っているのはカメラではなく双眼鏡!

慌ててボックスを見ると、あのA-1が戻されている!

俺は内心の興奮を抑え、ゆっくり手を伸ばしてA-1を手に取ると、今度はしっかりとストラップを肩に掛け誰にも取られない様に確保すると、もう一度スマホでCanon A-1について調べて見た。

するとこのカメラは完全電子カメラで電池が切れているとシャッターが切れない、とあるブログに書かれていた。

俺は、これは十中八九電池切れだなと当たりをつけた。逆に言えば電池が残っていてシャッターが切れたなら、多分このカメラはあの男の手に落ちていただろう。

俺は心の中でほくそ笑んだ。

そして今は余裕を持った心で、レンズが入ったボックスの方もゆっくり探して見ると一つだけ気になる商品がある。

ほとんどのレンズは剥き出しのままボックスの中に無造作に転がっているところ、その気になったレンズだけは厳重にラップに包まれていた。

そのせいでどんなレンズかよく分からなったが、よく見ると絞りのところに1.4の文字がある。そしてレンズの大きさと緑のAの文字やマウントの形状からFD 50mm F1.4だと当たりをつけ、そのレンズも購入する事にし、両方を持ってレジに向かった。

そこで俺が支払った金額は880円也。

Canon A-1が税込み550円で、レンズが同330円とちょっといいランチを食べるほどの金額で、程度の良さそうなカメラとレンズのセットを手に入れてしまったのだ。

俺はふりしきる雨の中を小走りに愛車のスイフトに戻ると、早速レンズのラップを慎重に取り外した。

中から出てきたのはやはりFD 50mm F1.4、いやNEW FDだ。

前玉を見るとカビが見えたので一瞬ガッカリしたが、よく見ると装着された保護フィルターの内側がカビているだけでレンズ自体は無事の様だし、後ろ玉はただ汚れているだけに見えた。

俺はスイフトを走らせて自宅に戻ると、早速レンズの清掃に取り掛かった。

前玉のフィルターは噛み込んでしまって手では取れなかったので後回しにし、後ろ玉をアルコールで清掃すると思った通り汚れているだけで、カビや傷などの無いキレイなレンズが汚れの後ろから出現した。

噛み込んだフィルターも工具を使って外すと、前玉のコンディションもまずまず良好で、メンテナンスを終えたレンズはとても300円には見えなかった。

次はカメラ本体だ。

俺はA-1の電池室から古い電池を取り出すと、ネットで調べたLR44を4本とスペーサーのアルミホイルを使って4LR44代替え電池を作る方法を使って電池を入れ、シャッターを切って見た。

キュイン!

見事なシャッター鳴きと共にだが、無事にシャッターは切れた。

俺はシャッター鳴きに苦笑しつつも、無事動いた事に安心した。

1000円以下でこの状態のカメラとレンズを手に入れられたなら大収穫だ。

これだから、ジャンク漁りは止められ無い。

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