私の年齢は五十代前半なので昭和から平成前半のフィルムカメラ全盛期に若い時代を過ごしました。
そんな時代だからもちろんフィルム写真は身近だったけど、当時は写真趣味がなかったので旅行などで写真を撮る時には家にあったコンパクトカメラや「写るんです」などを使っていました。
そんな私が四十前後になってから写真やカメラにハマり、更にはフィルム写真や中古カメラにハマって集め始めたフィルムカメラ(主に国産一眼レフ)をこれから一台づつご紹介して行きたいと思います。
その最初の一台に選んだのは、二年ほど前に購入し私がフィルムカメラにどっぷりハマるきっかけを作ってくれたカメラ「Nikon F4」です。
この頃の私はミラーレスカメラに未来を感じ、NikonのAPS-C一眼レフからOLYMPUS OM-D E -M10に乗り換えて撮影を楽しんでいました。
ただやっぱり光学ファインダーのクリアな見え具合も気持ちよくて大好きだったから一眼レフカメラも欲しかったけど、フルサイズの「D850」などは金額的にとても手が出ません。
そこでふと考えたのです。最高の光学ファインダーを味わいたいだけならフィルム一眼レフで良いのではないかと。
そこで色々調べてみると、Nikonが誇るF一桁機種の中で最も人気の無いF4なら最高の光学ファインダーを搭載したカメラを格安で手に入れられる事を知りました。
それからネットで探し「サンライズカメラ」さんで約一万円で購入したのがこれから紹介するF4Sです。ちなみにF4SとはF4に縦位置グリップがついたモデルを指します。
F一桁で一番人気が無いF4
ニコンのフィルム時代のフラッグシップモデル、F一桁シリーズはそのどれもが高い完成度を誇りプロカメラマンから絶大な信頼を得ていました。
そのカメラ達は現在でも高い人気を誇っていて、フィルムカメラとしてはなかなかの高値で取引されています。
このF4を除いては……
このF4が生まれたのはカメラが機械式のマニュアルフォーカスカメラから電子機能を満載したオートフォーカス機に生まれ変わる過渡期の時代。
当時の一眼レフカメラは電子部品をたくさん搭載するためにボディがどんどん大型化され、その大きなボディを少しでも軽くするために外装が金属からプラスチックに変更されるようになった。
そしてその流れはフラッグシップモデルにも踏襲され、F4のがっしりとしたフレームを覆う外装のほとんどがF3時代の金属からプラスチックに置き換えられた。
そんなプラボディのF4がプロやハイアマチュアの手によってハードに使い込まれると、握り込んだ手との摩擦でプラスチック部分がテカテカと光ってしまう。
このテカリがプラスチック外装を更に安っぽく見せるために、このF4は人気がないのだと思う。
しかしその性能はもちろん超一級品。特にその光学ファインダーは絶品で、フィルムカメラ愛好家から最高のMF一眼レフという呼び声を受けるほどの明るさ、視野の広さ、ピントの山の掴みやすさを誇ります。一応申し添えるとこのカメラはAF一眼レフです。
Nikon F4その魅力的な外観
先ほども書いたように、Nikon F4は一眼レフカメラがMFからAFに移り変わる時期の狭間に生まれたカメラ。だから、AF化を遂げながらもMFにも配慮した設計になっていて、ボタンやレバーやダイヤルが至る所にあるとてもごちゃごちゃした外観のカメラです。
しかし、それがメカメカしくてかっこいいと私は感じています。
まずはNIKKOR S.C Auto 50mm f1.4を装着した正面から。ご覧のように非Aiレンズもピンを倒す事により装着できます。
グリップの握り心地も良好で重量級のボディをしっかり支える事ができます。
この右肩を写した一枚にダイヤルなどがどれだけ写っている事か!パッと見ただけで、シャッタースピードと露出補正のダイヤル、シャッターボタンとその周りにドライブモード切り替えダイヤルがあります。そのどれにもロック機構があり知らない間に設定が変わってしまうのを防いでいます。失敗が許されないプロ機ならではですね。
左肩には巻き戻しクランクとその同軸にISO感度変更ダイヤルが付いています。このF4には自動巻き戻し機構が搭載されていますが、万が一の故障時や電池切れの時にも撮影済みフィルムをボディから取り出せるように手動の巻き戻しクランクも搭載されているのです。
装着しているレンズは「Nikkor S.C Auto 50mm F1.4」今までは、APS-Cセンサーとフォーサーズセンサーでしか使った事が有りませんでしたが、初めてフルサイズの画角で使う事が出来ました。作例は後ほど紹介します。
F4ロゴの下にある銀色のボタンがプレビューボタン。このボタンを押すと、絞り羽根が設定した数値に絞り込まれるのですが、ここがF4最大のウィークポイント。プレビュー鳴きと言って、このボタンを押す度にキュキュと音がする個体が多い。音だけならまだ我慢出来るけれど、症状がひどくなると絞り羽根がちゃんと動かななり、撮影時に指定した絞り値まで絞り込まれなくなるらしい。
私が買った個体も格安だったので、プレビュー鳴きの症状が出ていましたが、ネットで調べてシリコンスプレーを使って修理した所見事鳴きが治りました。
ただし、失敗すると故障するらしいので試す場合は自己責任で。
最後はファインダー接眼部。やはり丸窓はかっこいいですね。
F4のシャッター音
最近のカメラ、特にミラーレスカメラはAF時のレンズ駆動音やシャッター音などがとても静かになったので、そんなカメラしか使ったことのない方はこの音を聞いてちょっとビックリするかも知れませんが、当時のカメラはF4だけでなく皆かなり豪快な音がします。でも、それがいかにも写真を撮ってますって感じがして良いんですよね。
まとめ
握ってみればすぐに分かりますが、このF4と当時の普及価格帯の一眼レフ(ニコンだったらF60など)は同じプラ外装でも剛性感や質感が全然違います。もちろんダイヤルなどのパーツを動かした時のフィーリングも節度感があってとにかく一つ一つの動作がしっかりと精密に動いている事が指や手のひらに伝わってくる。
さすがニコンのフラッグシップモデルだけの事はあります。
このカメラで写した作例写真を下の記事でたくさん紹介しているので、そちらもぜひご覧下さい。
それではまた。
はじめまして、同い年ですね、私も同じくフィルム一眼レフカメラにはまっています。
昔はそんな趣味なかったですが、昨日F4をネットで購入しました。
明日届く予定です。なんか久しぶりにウキウキ??してます。
今使用してるのがF501とF80なので期待もありますが持病の液晶もれやプレビュー鳴きが不安です。ではまた来ます
せっかくコメント頂いたのにずっと放置で申し訳ありませんでした(汗)
もうとっくにF4の試写されていると思いますが、どうでしたか?
私もF401XとF70とF90Xを持っています。
ニコンのAF一眼レフは重いけど剛性感が高くて良いですよね!
MF一眼レフと比べてめちゃくちゃ安いし(笑)
それではまた来てくださいね!
初めまして 色々Nikon F4のブログを拝見しながら
ここに辿り着きました
そうですね F4は過渡期であったためと
偉大なるF3の後継機と言う事で
かなり過小評価されているように思います
触れば判るはずなんですよねぇ
初めて触っても直感で判る非常に操作しやすい配置
私はF4のシャッター音好きですよ
一番好きなのはF-801ですけど…
今、手元にある銀塩カメラは EM。FM2 FG
F-801 F-401X F601です
フィルムが高すぎて撮影はしてないですが…
こんな弱小ブログにたどり着いて頂きありがとうございます。
F4は本当に素晴らしいカメラだと思います。
最近は私が購入した2年ほど前より価格が上がっているみたいです。
良さに気づいた方が増えたのかな?
お持ちのフィルムカメラは全てNikonなのですね。
私はCanonもペンタもミノルタもオリンパスも買い集めてしまいました(汗)
おっしゃる様にフィルム価格がめちゃくちゃ高騰したので大変ですが、
自家現像とデジタルデュープでコストを抑えて何とかフィルム撮影を続けています。
それではまた。