この記事は撮影後のネガフィルムを一眼レフカメラやミラーレスカメラで撮影し、デジタル画像として取り込むデジタルデュープについてお伝えするシリーズの第三弾–モノクロ編–です。
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今回は白黒ネガフィルムを反転してポジ化する方法を解説します。
トーンカーブを使ってネガフィルムを反転する方法の解説はネット上にたくさんありますが、今回私が解説するのはPhotoshopのアクション機能を使ってクリック一発で反転する方法です。
そして、そのアクションさえ作ってしまえば沢山の画像を本当に簡単に処理出来るのでぜひ参考にしてみて下さい。
まず最初に手動で行う手順を解説してから、同じ処理を自動で実行するアクションを作る方法を解説します。
コンテンツ
白黒ネガフィルムの階調反転
*解説画像はクリックで拡大します。
RAWファイルをCamera Rawで開く- 手順1
撮影したRAWファイルをPhotoshopで開くと、自動的にプラグインのCamera Rawで画像が開かれます。
ホワイトバランスを修正- 手順2
フィルムの露光していない部分をスポイトツールでクリックすると、フィルムベースの色が抜けてホワイトバランスが修正される。
角度補正ツールで傾きを直す- 手順3
ツールバーにある物差し型のアイコンをクリックしてツールを立ち上げ、画像のように本来平行の場所(今回は画像の縁)をなぞって線を引くと自動的に傾きが補正される。
または角度補正ツールのアイコンをダブルクリックしても自動で補正される。ただし上手く行かない事もあるので、その時に上記の方法を用いても良い。
切り抜きツールでトリミングする- 手順4
角度補正ツールを使用すると自動的に切り抜きツールに移行するので、ハンドルをドラッグして余計な部分をトリミングする。
画像を16bitに変換してPhotoshopで開く- 手順5
8bitのままPhotoshopで画像処理すると画質が悪くなるので必ず16bitに変換してから「画像を開く」をクリックしてPhotoshopで開く。
16bit出ない→16bitでは無いです(汗)
階調の反転- 手順6
メニューより【イメージ】→【色調補正】→【階調の反転】をクリックして、画像をネガからポジへ反転する。
レベル補正- 手順7
ヒストグラムを見るとシャドーとハイライトにピクセル(画素)の山が無い、いわゆる眠い画像になっているのでレベル補正で解消します。
メニューより【イメージ】→【色調補正】→【レベル補正】をクリックしてダイアログボックスを開いたら、更にオプションボタンをクリックして、オプションダイアログボックスを開く。
オプションダイアログの【チャンネルごとのコントラストを強調】を選択し、中間色をスナップにチェックを入れてOKボタンをクリックする。
アルゴリズムについては一番下の「明るさとコントラストを強調」以外の三種類は好みで選んで良いと思う。
中間調をスナップにチェックを入れると画像のグレー部分を選んでそこをニュートラルな色調にしてくれ、自動で色かぶりが補正される。
アクションを作成して処理を自動化
これから下の動画のように、ここまでの処理をワンアクションで実行するためのオリジナルアクションを作成して行きます。(カラー画像で動画を作りましたが、やり方は同じです。)
ヒストリーを開いて一番最初の「開く」をクリックし、最初の状態に戻す。
メニューより【ウィンドウ】→【アクション】をクリックして開く
【新規アクションを作成】をクリック
新規アクションダイアログボックスで任意のアクション名やファンクションキーを設定し「記録」ボタンをクリックして、記録を開始する。
手順5〜6を再度実行し、停止ボタンをクリックするとアクションが保存される。
再度開いた直後の状態に戻り、設定したファンクションキーで処理が実行されるか確認し、Jpegで保存する。
完成写真
カメラ:CANON A-1
レンズ:CANON FD 55mm f1.2 S.S.C
フィルム:KENTMERE PAN100
おまけ
おまけとして、トーンカーブを使ってモノクロの調子を変更する方法を簡単に解説します。
温黒調(ウォームトーン)
調整レイヤーのトーンカーブを開き、ブルーチャンネルの中間調をマイナス側に調整。これでブルーの補色であるイエローが強まり暖かい雰囲気のモノクロになる。
冷黒調(クールトーン)
同じく調整レイヤーのトーンカーブでレッドチャンネルの中間調をマイナス側に調整。これでレッドの補色であるシアンが強まりクールな雰囲気のモノクロになる。
まとめ
今回は楽に手早くデジタルデュープした白黒ネガフィルムを画像処理する方法を解説しました。
もちろん、RAWファイルの段階でトーンカーブを使って一枚一枚処理した方が高画質になりますが、その方法ではたくさんの画像を処理するのが大変です。
それよりも、通常は今回の方法で処理し、特に気に入った画像のみをRAWファイルで丁寧に処理した方が効率的です。
それにやってみれば分かると思いますが、16bitで処理すれば今回の方法でも十分高画質な画像が作れます。
それでは次回のカラー編でまた。
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