いきなり昔話になって恐縮ですが、デジタルカメラが普及する以前、カメラと言えばフィルムカメラだった時代の写真はもちろん紙焼きのプリントしかなかったから、例えばみんなで遊びに行って写真を撮った時には、写真店やコンビニで現像とプリントを頼み、数日待って写真を受け取ります。
そしてその写真を遊びに行ったみんなで見て、それぞれが欲しい写真を選んだら、もう一度写真店に行って焼き増しをお願いしてさらに数日、焼き増しプリントが上がったらやっとみんなに配ることが出来ました。
焼き増しとは、例えばフィルムの5番目のコマに3人写っていてその3人が写真を欲しいと思ったら、もう一度写真店にフィルムを持って行き、そのコマを3枚プリントして欲しいとお願いする事です。だから、当時は写真をみんなに配るのも本当に手間でした。
でも、現在のデジタル写真なら簡単にコピーして配る事が出来ます。
本当に便利になったよね。
そんな便利さに慣れてしまうと、フィルムで写した写真だからと言って、簡単に仲間に配ったりSNSにアップしたり出来ないなんて考えられません。
こちらは私が白黒フィルムで撮影し、今回ご紹介する方法でデジタル化してInstagramに投稿した写真ですが、このようにデジタル化さえすればSNSにも簡単に投稿できます。そしてフォロワーが少ないのは私の写真が魅力ないからです!と開き直る(汗)
まあ私の写真のことは置いといて、
とにかくだから、最近フィルム写真やってる人達は現像時に昔のように同時プリントは頼まず、デジタルデータ作成サービスを利用してCD-Rに写真を焼いてもらったり、最近ではスマホに直接ダウンロードしてデータを受け取ったりしている人が多いと思います。
もちろん私も最初はこのサービスを使っていました。
この方法手軽なのは良いんだけど、毎回500円程度の費用が発生するのでランニングコストが嵩むし、その割には画像サイズも200万画像程度と決して高画質ではないので、本格的にフィルム写真をやるなら別の方法を考えた方が良いと思いました。
そこで次に考えたのが、フィルムスキャナーを購入してそれを使う方法ですが、低価格のスキャナーは画質もそれなりだし、フィルムスキャンの出来る高級フラットベットスキャナーは高いし本体が大きいから置き場所にも困る。それに、ネットで調べた所スキャン時間もすごく掛かるみたい。
そんな訳でフィルム写真を始めて以来、何か良い方法が無いかずっと探していたんだけど、最近になって知ったデジタルデュープという方法なら私の場合追加投資もそれほど必要なかったから気軽に試す事ができた。
そして試してみたら思った以上に高画質にスキャンすることが出来たので、その方法をここにまとめてみました。
デジタルデュープに必要な機材や道具
ここまでは単にフィルムと書いてきましたが、ほとんどの人が使っているフィルムは正確にはネガフィルムと言います。
このネガフィルムは色や明るさが反転して写るので、デジタルカメラでただ撮影しても通常見ている普通の写真としては見られません。
でも安心して下さい。
今回解説するデジタルデュープでは、最近のカメラ好きならほとんどの人が持っているデジタル一眼レフやミラーレスカメラ、そしてマクロレンズとそのレンズ前にフィルムを固定するためのアダプターを使って直接ネガフィルムを撮影してデジタル化し、その後Photoshop等の画像処理ソフトでネガポジ反転して、ちゃんと画像が見られるようにします。
そのフィルムを固定するアダプターですが、一番よく使われているのはニコンから出ているスライドコピーアダプター ES-1という商品で、もちろん私もこれを購入して使っています。
この三つが基本の機材で、これだけでデジタルデュープできる場合も多いですが、カメラとレンズの組み合わせによってはステップアップ&ステップダウンリングが必要になったりします。
その辺の詳しい情報は下記の記事で詳しく解説しているのでご覧になって下さい。
フィルムを撮影する方法
デジタルデュープの基本的な方法は、マクロレンズの先端につけたアダプターにフィルムを挟んで固定して、その後ろから光を当てて明るくし、フィルム面にピントを合わせて撮影します。
前の章でカメラ、マクロレンズ、アダプターの三つが基本の機材と書きましたが、出来れば用意した方がいいものに光源用のLEDライトと三脚があります。
日中の明るい窓際ならフィルムに自然光を当てて撮影することができますが、いつもいつもその時間に作業できるとは限りませんよね?
でもLEDライトがあればたとえ夜でも撮影出来るので、あなた自身の都合を優先できます。
また、カメラやLEDライトを固定する三脚もやはりあると便利です。
セッティングさえ済んでしまえば後はただ、フィルム一枚一枚を機械的に撮影して行くだけですので特に難しいテクニックは必要ありません。
上の撮影編で解説した方法でフィルムのデジタル化は出来るのですがやはり一コマずつセットし直すのは大変です。
少しお金は余計に掛かりますが下に記事で紹介しているFH-4を使った方法の方が圧倒的に楽に作業できるので、今後この方法でデジタルデュープしようと決めたなら購入を強くお勧めします。
作業性が全く違いますよ!
デジタルデュープしたネガフィルムを反転処理する方法
ネガフィルムの画像を反転する方法としてよく紹介されているのが、RAWファイルをPhotoshopのCamera RawやLightroom Classicのトーンカーブを使って反転処理する方法です。
白黒ネガならRGBチャンネルを反転するだけで基本的には良いのでまだ楽ですが、これがカラーネガになるとR・G・Bの各チャンネルを別々に調整してバランスを取らなければなりません。
この方法を使って一枚一枚手間をかけて現像すると画像処理の勉強にもなるから一度は挑戦して欲しいけれど、とにかく根気と時間がめちゃくちゃ必要です。
その点これから私が紹介する方法だと、Photoshopで処理を自動化するアクションを作ってしまえば、白黒ネガの場合はそれこそクリック一発で処理が完了しめちゃくちゃ楽。もちろん、画像のクオリティも悪くありません。
何よりも、写真一枚一枚のトーンが安定するので複数枚の画像を並べた時にも違和感が出ないのが良い。
カラーネガの場合も白黒ネガと同じアクションで処理した後、Photoshopで少し画像を整えるだけなので、それほどの手間ではありません。
まとめ
私がこの方法を知ったのは、Nikon D850の新製品紹介でフィルムのデジタイズ機能が搭載され、簡単にネガポジ反転できるようになったと言う記事を読んだ事です。
だから、そのD850(D780でも出来たと思う)とAF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G EDなどのフルサイズ対応マクロレンズがあればカメラ内でネガポジ反転できてすごく楽なのですが、そのためにD850を買うような経済力はもちろんありません(笑)
そこで少しでも安くそれでいて楽でクォリティーも高くと、いろいろ研究して今回の方法にたどり着きました。
自分で言うのもあれだけど、本当に楽に手早く処理できるので、ここまで読んでくれたあなたにはぜひチャレンジして欲しいな。
それではまた。
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