最初に言っておきます。このフィルムはなかなか凄いです!
ISO80だからもちろんすごく微粒子だし、黒の締まりも最高で解像感もすごく高い。特に艶やかに光る面を写すと艶かしい程の描写になる!
感度が低いからISO200や400のフィルムみたいに、とりあえず詰めておけばほとんどの場面で使えるっていう万能性は無いけど、陽の高い時間に屋外で使うと最高の描写が味わえると思うよ。
それでは早速レビューして行きます。
コンテンツ
Rollei RETRO 80Sの概要
このフィルムのブランドRolleiはもちろん2眼レフカメラが有名なあのローライなのですが、ローライ自体がフィルムを製造している訳ではなくブランド名だけ使用している様です。
製造はアグファ(AGFA)のベルギー工場で行われ、フィルムの中身はAGFA Aviphot Pan 80(航空写真用フィルム)と同等のフィルムの様です。
元航空写真用フィルムという事で赤外線領域(750nm付近)まで感光性があるため特に光に弱いので、フィルム装填時は直射日光は厳禁です。
Rollei RETRO 80S&Canon FTbの作例
作例はカメラボディに”Canon FTb”、レンズに”New FD 50mm f1.4”を用いて昨年(2021年)春に撮影した写真を使用しました。
撮影後はRodinal(1:50)で自家現像し、FUJIFILM X-T30でデジタルデュープしています。デジタルデュープについてはこのブログで詳しく解説しているので参考にして見て下さい。
写真は全てタップやクリックで拡大します。
白バラ
背景の日陰部分のシャドーが暗く落ち込み、日の当たっている白いバラの花部分を明るく浮かび上がらせています。茎や葉っぱの描写でシャープネスの高さも分かると思います。
黄色いバラ
直射日光が当たらず輝度差の少ない状況では、やはり描写が柔らかくなります。
ツツジの花
近接撮影でもシャープネスの高さはわかると思います。反面少し描写が硬い感じがしますが。
陽の当たる植え込み
中央の日の当たっている葉っぱの部分のハイライトがキラッと光り、日陰の部分が暗く沈む描写はこのフィルムのコントラストの高さをよく表しています。
朽ちかけた土留
光がたっぷり当たり、露出も明るめですが、それでもコントラストの高さは健在で朽ちかけた金属を陰影豊かに描写しています。
ハルジョオン?ヒメジョオン?
この花の名前がいつも分からなくなります(笑)
もっと走りたかった
この様な機械物の被写体ではこのフィルムのコントラストとシャープネスの高さが際立ち、とてもかっこいい描写になります。
麦撫子(ムギナデシコ)
白く写っていますが、実際には白からピンクのグラデーションがある花色をしています。最初の白バラ同様暗く落ちたシャドーと日の当たる花のコントラストが素敵です。
コロナの街
コロナの影響で人がいなくなった有明の街の様子。看板の文字や壁面のタイルの描写でこのフィルムのシャープネスの高さがよく分かります。
コロナの街2
上の写真同様コロナの影響で人の居なくなった有明です。よく見るとガラス扉の写り込みに人影が写っています。今年の春はこの場所でも人影を取り戻している事でしょう。
まとめ
このRollei RETRO 80Sはコントラストが高いのに諧調も豊かで、特に黒の締まりと艶やかな描写が出色のフィルムだと思う。
コントラストの高い描写が好きな方は一度試してみて欲しい。
価格もまだ一本1000円以下で買えるので、トライXなどと比べればまだお財布にも優しいフィルムですよ。
前々回のminolta Hi-Matic 7s、前回のminolta XDに続いて、今回はCanon FTb撮影した写真をご紹介しましたが如何だったでしょうか?
このRollei RETRO 80Sレビューシリーズは今回で終了しますが、現在また違うカメラPentax SPFで撮影しているのでまたレビューするかも(汗)
それにしてもフィルムのレビューって難しいです。と言うのもフィルムだけでなくレンズや現像液の違いでも描写は大きく変わっていくのでどこまでがフィルムの描写なのか、判断も難しいし、文章で表現するのも難しい。
最後はあなた自身が作例写真で判断して下さい。←丸投げ(汗)
それではまた。
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