人気の中華レンズTTArtisan 17mm f/1.4 C 実写レビュー by X-E4

しばらく前までは安かろう悪かろうのレンズも散見されましたが、最近発売されたレンズのクオリティはどのレンズを見てもかなり高いと個人的には思います。

それでいて価格がとにかく安いので売れるのはある意味当然です。

そんな中華レンズの中から今回はTTArtisan 17mm f/1.4 C ASPHについて、実写した画像を用いてF値別や逆光での描写などいろいろなパターンの描写性能をどこよりも詳しくレビューしたいと思いますが、その前に筆者について簡単に自己紹介。

現在50代前半の私が本格的にカメラを始めたのはNikon D40を買った2007年なので、カメラ歴はそろそろ15年になりますが、最初のデジカメは2000年ごろに買ったNIKON COOLPIX800なので、そこから数えると20年オーバー、いやフィルムカメラは子供の頃からたまに使っていたので、そこから数えると……。現在はデジカメだけでなくフィルムカメラ(主に国産一眼レフ)もたくさん所有し、撮影や自家現像なんかを楽しんでいます。

実写画像による比較

使ったカメラはFUJIFILM X-E4で、フィルムシミュレーションは全てアスティアで撮影しました。

作例の撮影は全て手持ちで行ったので微妙な構図の違いはご容赦下さい。

また、全てJpeg撮って出しをリサイズして掲載しています。

絞り値別の作例その1

カメラから1.5m程の距離にある大きな植え込みを被写体に絞りを変えて撮影しました。

被写体までが近いので絞り開放でも意外と解像していますが、やはりある程度絞った方がピント位置のシャープネスは上がります。

解像のピークはF5.6からF8辺りになりますが、そこまで絞ると背景のボケが少なくなるのでその辺を考慮した美味しいF値はF2.8前後だと思います。

またF16まで絞るともっと小絞りボケの影響が出るかと思いましたが思ったよりも少なかったので、完全なパンフォーカスで撮影したい時には使えると感じました。

絞り値別の作例その2

カメラから70cm程の距離にある画面中央の小指の先ほどの小さな花を被写体に絞りを変えて撮影しました。

左手前の葉っぱや小花から前ボケや画面端の描写が、被写体より後ろの葉っぱや右奥の住宅の描写で後ろボケの様子がよく分かると思います。

開放ではやはり前ボケ後ろボケ共に大きくふんわりとした描写ですが、F2に絞ると一気に画面がシャキッとします。

もちろんもっと絞れば更にシャープな描写になるので、このようなシチュエーションでは前ボケと後ろボケのバランスを見ながら撮影すると良いと思います。

絞り値別前ボケの比較

レンズ先端から数センチ程の位置で大きな楓の葉を前ボケに絞りを変えて撮影しました。

絞り開放では楓は大きくボケていますが背景の樹木のボケがざわざわしています。また金網やフレームに色収差(パープルフリンジ)が出ているのが分かります。

フリンジはF2.8まで絞るとほとんど気にならなくなるので、逆光時や水面のきらきらなどフリンジの出やすい場面ではある程度絞った方がいいと思います。

豆知識

虹の七色に代表されるように太陽光などの光はいろいろな色の集まりですが、これがレンズに入ると色によって屈折率が異なるため結像位置が微妙に異なります。これが色収差の主な原因です。

絞り値による周辺減光比較

数メートル先のSLOTの文字にピントを合わせて快晴の空を絞りを変えて撮影しました。

開放ではやはり周辺が大きく減光していますが、ピント位置は思ったよりもシャープに描写されているので周辺減光が気にならない、またはそれを作画に活かしたい時には積極的に絞り開放を使うのも面白いと思います。

周辺減光が気になる場合はF2.8以上に絞りましょう。

絞り値別の100%拡大画像比較

先ほどの画像のピント位置のSの文字をAdobe Bridgeで拡大表示して切り出しました。

アップにするとやはり絞り開放では滲んだような描写になっています。

手持ち撮影のため微妙な手ぶれの影響もあるかも知れませんが(X-E4は手ぶれ補正なし)この比較ではF4が一番シャープに見えます。

逆光時のフレア

太陽が画面上方のやや左側にある逆光の様子を1枚目は絞り開放で、2枚目はF2.8で撮影しました。

開放では太陽の位置辺りからシャワーのようなフレアが確認できますが、逆に温かみにある柔らかい描写に感じられます。

1枚目とほぼ同じ光の状態でも(撮影時間差30秒ほど)F2.8まで絞るとフレアの影響はほとんど無くなり、とてもシャープでクリアな描写になります。

これは完全に好みの問題ですね。

最短撮影距離

小指の先ほどの小さな花と握り拳ほどの大きな花を最短撮影距離付近で撮影しました。

光芒とゴースト

ビルの影から半分ほど覗く太陽を画面に入れ、絞り値F8でバラの花を撮影しました。

鋭く延びる光芒と青や緑のゴーストが確認できます。

個人的にはゴーストなどもレンズの味として容認できるタイプですが、出したくない場合はレンズ内に光を直接入れないようにハレ切りなどを行いましょう。

豆知識

ハレ切りとはハレーション切りの略でレンズ内で光の乱反射を起こさないように手のひらなどで直接光を遮ることです。

夕暮れ時の作例

夕暮れ時に絞り開放でスナップした作例です。

画面上部の星を拡大するとコマ収差の影響で星が尾を引いたようになっているのが分かります。

豆知識

コマ収差とは彗星(コメット)が尾を引くのに似ている事から名付けられました。コメットがコマに転じたんですね。

玉ぼけ

絞り開放で床屋さんの電飾とその後ろの点光源を撮影しました。

中央付近の玉ボケは綺麗な丸ですが、左端の球ボケは口径食の影響でラグビーボール状に形が崩れています。

豆知識

口径食というのは、交換レンズが何枚ものレンズの組み合わせで構成されているため、奥行きが出ることで発生します。例えば塩ビパイプのような筒を覗くとき、まっすぐに覗けば円形の視野になるけれど、斜めに覗くと円が欠けたような形で見えるはず。それと同じことで、特に前玉の大きい大口径レンズを絞り開放付近で使うと斜めからの光がレンズの鏡筒によって遮られて口径食が発生する。ちなみに周辺減光も同じ原理で発生します。この原理をふまえれば絞りを小さくした時に周辺減光や口径食がなぜ緩和されるのかが分かるはずだ。

絞り値別の自由作例

F1.4

F2.8

F4

F8

まとめ

TTArtisan 17mm f/1.4 C ASPHについてたくさんの作例を使ってレビューしてみましたがいかがでしたか?

私自身この作例を撮影するまでこのレンズはF8前後まで絞らないとシャープに撮影できないと思い込んでいましたが、実際には場面によっては絞り開放も使えますし、F2.8まで絞ればピント面のシャープさも十分な事がわかりました。

これからはもっと積極的に絞りを変えて撮影しようと思います。

ただ、そうするとどの絞りで撮影したのかわからなくなるんだよね〜。

電子接点がないから仕方ないけど。

それではまた。

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